Our organic cotton大正紡績のオーガニックコットン

Our organic cotton大正紡績のオーガニックコットン

なぜ契約栽培なのか?
大正紡のオーガニックコットン

世界のオーガニックコットンの生産量は、コットンの総生産量の約0.7%です。
オーガニックコットンの生産量は栽培の厳しいルール、認証にかかる費用や手間、遺伝子組み換え技術の発達などにより、ここ数年1%未満で横ばいに推移しています。
大正紡績が2015年4月から2020年3月までの5年間に使用したコットンのうち、オーガニックコットンの占める割合は約30%、そのうち60%以上が契約栽培によるものです。

オーガニックコットンがビジネスになりにくい時代から私たちは作付け前にその年の秋に収穫される綿花はすべて買うと約束し、契約農家さんが安心してオーガニック栽培を継続できるように支えて来ました。
私たちがオーガニックコットンを契約栽培するようになったストーリーを紹介します。

『きっかけは 茶綿』

大正紡績に初めて茶色い綿がやって来たのは1993年のことでした。
それはオーガニックコットンの提唱者であるサリーフォックスさんが、苦労を重ね紡績が出来るように品種改良した茶綿でした。
最初は他の紡績メーカーに紹介されましたが、白い綿に茶綿が混ざることを恐れ、数社に断られた後、大正紡績に辿り着いたそうです。

私たちは当時から失敗を恐れず、紡績業界の古い体質・常識にはとらわれないチャレンジャーでした。

『コットンは環境にいい?』

サリーさんとの出会いをきっかけに、私たちは環境について考え始めました。
まだ環境に危機感を持っている紡績メーカーは全くないと言っても良い時代で、天然繊維である綿花は環境に良い素材というのが業界の常識でした。
しかし、実際は綿花栽培に使用される農薬や枯葉剤散布は土壌や大気への影響があり、必ずしもそうではないという現状を知りました。
私たちはすぐに環境に配慮されたルールの中で生産されるオーガニックコットンを少しでも使用していくことに決めました。
手始めにテキサスやカリフォニアからオーガニックコットンの輸入を開始しましたが、入荷される原綿の品質はことごとく劣悪で、紡績するのに大変苦労しました。
私たちは品質の悪い原綿を何度か輸入した後、契約栽培をするしか良い原綿を入手できる方法はないと考え、「品質の良いオーガニックコットンを栽培する農家はいませんか?」とサリーさんに相談しました。

『運命の出会い』

サリーさんは、ニューメキシコ州のドーシーアルバレスさんを紹介してくれました。
彼は1992年から、長綿アカラだけでなく超長綿のスーピマ種など高品質なコットンをオーガニックで栽培しており、オーガニックコットン=品質が悪いという認識を持っていた私たちを驚かせました。
私たちはそのコットンを使いたいと強く望みましたが、彼はスイスの紡績と独占栽培契約を結んでいたため、その望みはかないませんでした。
それから数年間、私たちは品質の悪いオーガニックコットンを相手に悪戦苦闘しましたが、2000年に転機が訪れます。
スイスの紡績が倒産し、大正紡績にアルバレス農場と契約しないかと声が掛かったのです。 それに対して大正紡績は、「収穫されたオーガニックコットンはすべて使う。」と約束し、念願だった契約栽培がスタートします。 そして2002年、初めてアルバレス農場のオーガニックコットンが大正紡績に入荷します。
アルバレス農場の原綿は技術者たちの創造力を掻き立て、職人魂に火をつけました。 それまでは40番手の糸を紡績するのにも苦労していましたが、120番手の糸が紡績できてしまうのです。
極甘撚りや極細番手の糸を次々と開発して世に送り出し、新たな層のユーザーを獲得しました。
ビジネスを通じて環境を保護するという先駆的な活動が認められ、私たちは2008年には受賞者に著名なファッションデザイナーが名を連ねる「毎日ファッション大賞」を受賞しました。 2010年には日本の紡績メーカーでは初めてとなるGOTSとOCSの両方の世界認証を取得した企業となり、原料のサステナビリティやトレーサビリティの重要性を市場に訴えました。
それから現在に至るまで、毎年審査を受け続けており、途切れることなく認証を維持しています。

『絆をつなぐ』

私たちは可能な限り毎年農場に足を運び、サリーさんとアルバレスさんと良好な関係を築けています。
2018年からはサリーさんの紹介で、テキサス州のデービッド・ウィーンズさんとの契約栽培をスタートさせました。
私たちは契約栽培することで農家さんと信頼関係を築き、直接会って、種のこと、水のこと、農薬のこと、肥料のことなど色々なことを教わってきました。
それを正確に伝え、サプライチェーン全体で地球の環境をより良くできるよう働きかけることが、サプライチェーンの川上にいる私たち大正紡績の責任だと考えています。