オーガニックコットンには、栽培に関する農業的なもの、その後の製品に関する製造や流通に関するものなど、たくさんのルールがあります。
まずは、オーガニックコットンに関する代表的なルールを紹介します。
- Ⅰ
オーガニック農産物の生産方法に従って3年以上の生産実績を経て、第三者認証機関に認められた農地でつくられていること。
オーガニックコットンは世界の耕地面積の約0.02%で栽培されています。
現在オーガニックコットンは世界の19か国で生産されており、そのうち98%はインド・中国・キルギス・トルコ・タジキスタン・アメリカ・タンザニアの7か国で生産しています。
2018年の綿花の生産量は2582万トン、そのうちオーガニックコットンは18万トンで全体の約0.7%にしかすぎません。(TE Organic Cotton Market Report2019より) - Ⅱ
栽培に使われる農薬・肥料の厳格な基準を守って育てられていること。
オーガニックコットン農家は基準に定められた有機肥料で土壌を作り、禁止されている農薬の類を使わず、第三者認証機関の認証を受けて初めて『オーガニックコットン』を栽培できるようになります。
- Ⅲ
非遺伝子組み換えの種子を使用すること。
遺伝子組み換えとは、作物などに対し、他の生物の細胞から抽出した遺伝子を組み換え、新たな性質を持たせる手法を言います。
世界では、コットンの総栽培面積3290万㌶のうち遺伝子組み換えの割合はおよそ76%に及びます。 日本はコットンのほぼすべてを輸入に頼っています。
総輸入量は10万3千トンで、そのうち92%が遺伝子組み換えされたコットンです。(数字は2018年、バイテク情報普及会調べ) - Ⅳ
トレーサビリティが確保されていること
トレーサビリティとは、コットンの生産から流通・保管・販売に至るまでのルートを記録に残し、コットンの生産まで遡って分かるようにするシステムのことです。
「いつ、どこで、誰が生産し、どうやって流通したのか」といった情報が明らかになることで、消費者が安心することができ、オーガニックコットンの信頼性を高めることができます。
次に、オーガニックコットンのテキスタイルや製品に関する世界的な認証を紹介します。
GOTS
国際基準策定機関によるGOTS(Global Organic Textile Standard)認証。 認証されたオーガニック原料が70%以上含まれており、ケミカルの使用制限、社会的規範などの条件があります。 2019年認証事業者数は世界70か国で約7700件、日本では24件となっています。
OCS
Textile ExchangeによるOCS(Organic Content Standard)認証。 5%以上のオーガニック原料を含むなどの条件があります。
両方の認証基準ともにEUのECC規則、あるいはアメリカのNOP規則等に従った認証を受けている原料を使用し、全ての製造過程が明確であることが求められ、全ての製造過程の工場が、第三者認証機関によって毎年行われる実地及び記録書類の検査を受け、認証されることが必要です。
一方、両者にはオーガニック繊維の混用率(GOTS 70%以上、OCS 5%以上)以外にも、環境基準や社会基準に対する認証の範囲が異なります。 GOTSは、使用される染料や助剤などすべての環境基準を満たし、労働環境などの社会的基準を遵守する必要がありますが、OCSは環境的または社会的基準を定めていません。
「Control Union Certifications(CU)」から審査を受け、2009年からGOTS.・OCS両方の認証を取得しています。